曹操殿が、シャム猫が1匹飼っていた。
元々は曹操殿の前妻が飼ってた猫だったが、前妻と別れる際、
「あなたと息子の事を思い出して辛い」と押しつけられたらしい。
曹操殿の元で働き始めて半年ぐらい経った頃、世話係りが休んだので、
シャムを丞相府に連れてきて曹操殿が仕事の合間に世話をしていた。
そろそろ食事の時間、という時に来客があったので、
たまたま一緒だった俺が代わりに餌をやる事になってしまった。
まあ、別れたのは俺のせいでもあるから、仕方なかったのだけれども…
「ほら、餌だよ」と俺が言った瞬間、猫缶を持つ俺の手に激痛!
シャムが突然、噛みついてきた。
甘噛みではない、本気で肉を食い千切るような噛み方だ!
っつーか、肉が一部裂けた! ピュゥッて血が吹き出てるし!?
「うあっ!」と声を上げた瞬間、またも激痛!
腕に牙を立てながら、思いっきり爪を立てている!
俺は思い切り腕を振り上げてシャムを投げた。
しかし、シャムは身を翻して再び立って襲う構えを見せる。
「シャアアアあああああああああああーーーーーーーー!」
シャムの鳴き声が徐々に変化してきた。まるで、人間の泣き声だ!
よく見るとシャムの影が大きくなり、人の形になってきていた。
そして、下顎が外れそうなくらいに口をあけ、何かに狙いをさだめた様だ。
おそらくは俺の首筋・・・逃げなきゃ!しかし体が動かない!!
「そこまでだ!」
聞いたことのある声。已吾生まれで霊感の強いTさんだ!
Tさんは俺とシャムの間に立つと、あるものを振り回した…
”ねこじゃらし”だ!
シャムがねこじゃらしに飛び掛った瞬間、Tさんが「デリーだニャー!!」と叫んだ。
するとねこじゃらしが光り、シャムの影を引き裂いてゆく!
ついにシャムの影はもとの猫の影となった。
その瞬間シャムの首輪がパァンと弾けた。
「ねこちゃんを利用するなんて許せないぜ!」
シャムは人?が変わった様に大人しくなっていた。
「典韋殿、この話IFルートだったっけ?」
「お、御大将とねこちゃんが心配だったんだ!賈クなんてどーでも良かったんだからな!!」
Tさんは華佗膏を押し付けて走り去って行った。
已吾生まれのツンデレは凄い、俺は華佗膏を塗りながら改めてそう思った。
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